活用事例

すぐ実現できなくても声を受け止める。本音を大切にする会社のサーベイ活用【株式会社アライド・システム】

企業紹介

社名: 株式会社アライド・システム
事業内容: ソフトウェア業/従業員数: 22名
代表取締役 須藤 順一さん
執行役員 管理部部長 松澤 明子さん

担当した専門家

三浦 睦子 Mutsuko Miura
サプナ社会保険労務士法人 特定社員

特定社会保険労務士、第一種衛生管理者、キャリアデベロップメントアドバイザー

相談前の課題

  • 個別面談や日報などの仕組みはあるが、従業員のより深い本音を把握したかった
  • 従業員のエンゲージメント向上を図りたかった
  • 従業員向けのアンケートをはしばらく実施しておらず、継続的な取り組みの必要性を感じていた

制度活用のきっかけ

  • 無料でエンゲージメントサーベイを実施できることに魅力を感じた
  • 第三者である専門家から、社内の状況や施策に対する意見をもらいたかった
  • 他社の事例や取り組みを直接知る機会を得たかった

相談後の成果

  • 従業員のさまざまな要望を知ったうえで、取り組むべき優先課題が明確になった
  • 初の産休・育休取得などの希望にも、専門家のアドバイスをもとに不安を払しょくした状態で対応できた
  • 他社事例を知り自社の方向性に自信が深まり、社員の声に向き合い続ける姿勢を再確認できた

面談や日報だけでは聞けない本音を知りたい

Q.まず事業内容を教えてください。

須藤
順一さん
(以下、
敬称略)

 当社は美容室をはじめ、ペットサロンやネイル・まつげサロン、エステなど、サービス業向けの専用POSレジシステムを開発・販売しています。予約から会計、顧客管理、売上の集計・分析までを一通りカバーし、電子カルテなどのオプション機能も備えています。30年以上にわたってシステムの改良を重ね、3,000店舗を超えるサロンにご利用いただいています。サロンの皆さんが施術に集中できるよう、予約の管理から日々の売上の把握まで、運営の裏側を私たちのシステムが支えています。近年は、オンプレミス型からクラウドサービスへの移行にも力を入れています。

Q.エンゲージメントサーベイと専門家派遣を活用したきっかけはなんですか。

須藤

 私たち経営陣に対して直接伝えづらいことがあるのではないか、少しでも社員の声を吸い上げたいと考えたことです。従来から年4回、従業員と個別面談を続けてきました。1年後にこうありたい、こうあってほしいという目標を共有しながら、進捗を確認していく場です。毎日、すべての業務日報にも目を通してコメントを返しています。休日や各種手当など、働く環境の整備にも取り組んできたつもりです。それでも社長の顔を見て直接要望を伝えるのは難しい面もあるのではないかと感じていました。

松澤
明子さん
(以下、
敬称略)

 私自身、社員の定着やエンゲージメントを高める仕組みづくりにもともと関心がありました。実は10年ほど前にも、別のツールで従業員アンケートを実施した時期があります。今回、エンゲージメントサーベイを無料で受けられると知り、これは良い機会だと社長に提案したのです。エンゲージメントを高める取り組みは、一度やって終わり、というものではありません。しばらく間が空いた今こそ、改めて社員の声に耳を傾けたいと考えたためです。

須藤

 正直なところ、最初は少し躊躇もありました。意見を聞きつつも改善できなければ、逆効果になる懸念もあります。それでも、第三者である専門家に相談すれば、自分たちが進めている施策にも客観的な視点をもらえるはずです。それにサーベイの結果を身内だけで観察するよりも、専門家から客観的な意見を聞けるのも有益だろうと考え、申し込むことに決めました。

本音と向き合い、専門家の知見は道しるべとなった

Q.エンゲージメントサーベイの結果はいかがでしたか。

須藤

 全体的には想定通りといった印象がありましたが、一部の声に意外なものもありました。たとえば、「自分たちのサービスがお客様であるサロンの経営に貢献できていると断言できるほど自信がない」との回答がありました。私たちの提供するシステムはお客様にとって当たり前の存在になっており、お客様から直接感謝の声をかけられる機会の多い職種もあれば、接点の少ない職種もあります。とはいえ「お客様に喜んでいただく」ことを良い仕事の定義に掲げてきた私としてはショックでもありました。

松澤

 ただ一方で、こうした厳しい声を、率直に書いて出してくれたという事実は、決して悪いことばかりではないと思いました。何かを変えたい、もっとよくしたいという気持ちがどこかに残っているからこそ、答えてくれるのではないでしょうか。

須藤

 もし何の意見も上がってこないとしたら、その方がより怖い状況だと思います。だからこうした本音の内容が批判的に聞こえたとしても、会社や仕事に対する改善への期待なのだと受け止めるように考えました。諦めていたら、そもそも声を上げてくれないのではないでしょうか。

Q.専門家による支援について振り返ってください。

松澤

 面談は全4回で、すべて私たち2名で参加しました。1回目はサーベイ結果の振り返りが中心でしたが、回を重ねるごとに、最近社内で起きていることや気になっていることを、その場で思いつくまま相談する時間に変わっていきました。

須藤

 三浦先生は、強く何かを指示するタイプではなく、同じ規模の他社の取り組みや事例を次々に紹介してくださったことが印象に残っています。相談できてよかったのが、サーベイ結果を社内にどう伝えるかという部分です。当社ぐらいの規模で結果をそのまま公開するのにはリスクがあると感じていました。そこで三浦先生からは「こういう意見が寄せられましたが、あなたはどう思いますか」と問いかける形で年4回行われる個別面談に取り入れる方法を提案していただきました。

松澤

 サーベイについて相談した後は社内で起きたトピックについて会話することが増えました。たまたま当社で初めてとなる産休・育休取得者が出るタイミングだったため、社内でのアナウンスや当該社員が復帰するまでの準備なども、他社の事例を交えて細やかに助言をしていただきました。 これまでも採用や入社後のフォローについては、絶対的な正解がないため、さまざまな試行錯誤を繰り返してきたというのが本音です。人事の話題は気軽に相談できる相手が限られるのですが、このように豊富な知識を持った方には話を聞いていただくだけで想像以上に心強く感じられました。

今後も社員の声に耳を傾けて環境改善を続けたい

Q.サーベイと専門家派遣を経て、得られた手応えはどのようなものですか。

松澤

 他社の取り組みや事例を豊富に教えていただきながら、自分たちが進めてきた施策を一つひとつ確かめられたことで、方向性への自信は深まったように思います。地図を持たず、やみくもに動くのではなく、こちらの進む先に光を示してもらえたのが大きかったと思います。

須藤

 日々の経営の中で検討課題は多くあるものですが、当社の実態にあわせて専門家の意見をお伺いできるのはとても心強いことでした。社員の声を率直に受け取り、向き合い続ける姿勢は重要なのだと確信できました。今後もこの姿勢を持ち続け、よりよい組織づくりを行うという決意を固められたことが一番の収穫だったように思います。

松澤

 今後も社員の声に向き合い続けたいと思います。当社の情報セキュリティ担当として私自身、毎年外部審査を受けていますが、毎年何かしらの改善を求められ、前年から進歩がなければ評価も理解も得られません。社員の声を抽出し改善する取り組みもまったく同じで、聞いては受け止め、また聞くことを繰り返し、信頼関係を強固にしていきたいと思います。

須藤

 信頼関係とは、会社が報酬や働く環境を整えて提供し、社員はそれに応じて成果で貢献するという双方向性のもとに成り立つものであり、一方通行ではうまくいきません。今回、エンゲージメントサーベイを通じて社員の声を受け取ったので、会社として何を整えるかと同時に、社員一人ひとりにも自分自身の成長や貢献にどう向き合っていくか、これまで以上に対話を重ねていきたいと考えています。

今後も笑顔と笑い声があふれる職場を目指して

Q.今後の展望をお聞かせください。

須藤

 サロンの現場で働くスタッフの皆さんにとって、私たちのシステムが「もう一人のスタッフ」のような存在になることを目指しています。サロンのお客様にも、そこで働くスタッフの皆さんにも、笑顔と笑い声が増えていくよう、貢献し続けたいと考えています。同じく当社の社員にとっても「ここで長く働き続けたい」と感じられる会社、笑い声が聞こえる職場であり続けたいですね。

Q.まだサービスを利用したことのない方へメッセージをお願いします。

須藤

 サーベイの結果を見るのが怖い、活かせるか不安、と躊躇される経営者の方も多いかもしれませんが、それでも踏み出してみれば、社員の声から次の一歩が見えてくると思います。

松澤

 中小企業の労務や人事の問題について社内で悩み続けるのは、時間がもったいないと感じます。豊富な経験を持つ専門家から他社事例やアドバイスを直接もらえる機会は、なかなかありません。すでに取り組みを進めている企業でも、第三者の目線で方向性を確かめられるのは価値があるはずです。気負わず、ざっくばらんに相談できる場としても、ぜひ活用していただきたいです。